2006年6月24日土曜日

「抜けるサウンドのためにVol.4」

ここまでやって、さぁ!音色補正について。パッシブの場合はハイカット(高域をカット)するだけなので、通常は全開。ハッキリ言って無くてもいいんだけど。
今回はアクティブサーキットを搭載したベースの音色設定について。ベースと言う楽器は、レコーディング時に信号をラインで送るので、ギターと異なり本体で音色を完成させておくに越した事がない。ライブでは背後にアンプが鳴ってるけど、あれはあくまでモニター用。アンプの手前で信号が分岐され、卓に行ってます。つまり、アンプで作った音色はPAにはな~んの影響もない訳。対して、ギターはアンプで鳴ってる音をマイクで拾いますので、機種による影響が大きいですね。

で、搭載されてるサーキットですが、一番良く見かけるのがバルトリーニかな。これを積んだジャズベはホントに良く見かけます。StingRayもアクティブベースの代表機種。あの独特の音色に欠かせなかったりします。

Moon JB205HS
左からフロントピックアップVol,リアピックアップVol,Ba,Treです。プリアンプはバルトリーニNTCT。コントロールパネルを開けるとミッドカットトリマーが付いてて、500hzをカットできます。Baは30hz,Treは4Khzをブースト&カット。






Musicman StingRayBass
左からVol,Tre,Baとなってます。この年式はBaのみブースト、Treはカットのみだそうです。なので、センタークリックはありません。本来、こう言ったアクティブサーキットを搭載する目的は、・外来ノイズに強い・ラインで信号を送るため、シールドを介さず音色補正する方が有利と言う物です。とは言え、音色設定と言う物は個性を主張できる部分でもあるため、積極的に活用したいのもわかります。

し・か・し!パッシブサーキットと違って、全部をフルブーストしてる田舎者がなんと多い事か(泣)。ガシャガシャしちゃって聴けたモンじゃありません。あくまで「補正」なんですよ。ベースと言う楽器の音色設定は結構センスを問われるし、難しいんです。基本はニュートラルな楽器本体の音色を引き出す事なんです。例えば、中音域(ミッド)をカットすると、どんどんサウンドはタイトになっていきます。スラップベーシストなんかに多く見かけます。私も昔はEQが思いっきり「M」を描いていました。しかし、アンサンブルでは比例してサウンドが埋もれていきます。「ベース単体では良い音なのに、バンドでは音が前に出てこない。」なんてのは良く聞きますね。ダイナミックレンジが狭いはずのパッシブベースがアンサンブルでは存在感を発揮し、「やっぱりパッシブだよ。細かいニュアンスが出せる。」なんて言うのも中音域の処理に差が出てるだけです。サーキットの問題じゃありません。もっともらしい主張をこれまた良く耳にします。私の場合は、MoonもStingRayもBaは「5」、Treは「2」位です。ですから、僅かな補正しかやっていません。スラップ&2フィンガーのどちらでも耳障りにならずぼやけない音。これが理想ですね。極力「素」の音を出すようにします。で、アンプなども基本的にはフラット。あれこれ弄らないと使えないなんてね、ホントは話になんないんですよ。敢えて中音域を操作する場合は、Hi-Midを少しカット&LowーMidをちょっとブースト。これでサウンドの膨らみ加減を調整。後はピッキングニュアンスでコントロール!ほら、「抜ける音」になったでしょ?

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