2006年10月3日火曜日

私はベース弾き。「月が明けたから」とか何とか、色んな理由で自分を納得させて弦を交換する。ギタリストとはあまりこう言う会話をしたことがないけど、ベーシスト同士だと恐らく大半の方が「うんうん」と頷いてくれそう(笑)。
ひとつには、昔はベース弦と言う物が大変高価だったので、半ば儀式と化してるんじゃないかと勝手に推測してるんです。

今まで張っていた弦を外し、指板を磨く。今回はレモンオイルは無し。4弦は1弦のポストの辺りで折り曲げてからカット。3弦はヘッドと同じ長さで同じく折り曲げてからカットする。ボールエンドが張り終わった時に「縦」になるように慎重に巻き上げる。大まかにチューニングしたら、何度も弦を引っ張って安定するまで繰り返す。チューニングが落ち着いたら、ネックの状態を確認してからアンプに繋いでサウンドチェックだ。実際にチューニングが落ち着いても、若干のうねりが発生してる。暫く適当にフレーズを弾きながら再度チューニングすると、そろそろ落ち着いてくる。やはり、張りたて、正確には少し時間が経って安定したばかりの新しい弦は、すべてをスポイルする事無く、そのベースが持ち合わせているあらゆるトーンを出してくれるんですね。クリアな音色、フレットに当たる際の心地よいバズ、突き抜けるようなサスティーン。倍音も良く出てる。

この時の心境はこんな感じですよ。保管場所も床の間だし(笑)。よく侍が、浪人している身でも、静まり返った部屋で一人佇み、一心に刀と会話している。なんか似た物を感じるんです。恐らく、その侍は今すぐ戦があるわけでもなければ、果し合いがあるわけでもない。しかし、道具は持ち主の人となりを表すんです。いつでも準備を怠らない。研ぎ澄まされて出番を待つ。私のバンドは、ただ今活動を休止していますが、私が休止してる訳ではないので常に本番を迎える準備が出来ています。まあ、関心がない人から見たら「弦だって高いのにお金がもったいない」とか言われそうだが、そう言うもんじゃない。刀と同じなんです。重要なのは「日頃」なんです。急に体裁を取り繕っても、いざと言う時には「日頃」以上を発揮する事なんて出来ません。

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