2006年11月30日木曜日

「太い音?!」 


多くのベーシストが「太い音」を出したいらしい。

私自身は「良い音」を出したいとは思うけれど、太い音が出せれば全てOKか?と聞かれると答えはNoです。

今回のテーマは、もしかしたら一斉に反論を受けるかもしれませんが気に触っても悪しからず。Mixiなんかでも、音を太くしたいと言う質問は多く見かけます。で、大概の解決方法としては「ゲージを太くすれば」と言う物。要するに弦を太くする=音が太くなると言う事らしい。本当にそんなに簡単な話だと思ってるの?

そもそも、「太い音」とは、どんな事を意味してるの?全く曖昧な表現です。まず、ゲージを上げて弦を太くした場合に何が起こるか?誰でも分かるのは、テンションがきつくなると言う事。弾くにも押さえるにも力が必要になります。そりゃそうだ。物理的に同じ音程にしようと思ったら強く張らなければいけませんもの。しかし、それで音が太くなるの?太い音って何???これで得られる変化と言うのは、倍音の変化です。総じて倍音は少なくなります。つまり基音が多く出る。これを「太い音」と勘違いしてるんだろうな。

同じような事が弦高にも共通して言えるかな。高めにするほど、ネックが順反り傾向になるに従って倍音は減る傾向に向かいます。オールドStingRayなど、弦が裏通しになってる物の方が音が太いとか、テンションがきついと言うのも、同じ解釈なんでしょう。裏通しに関しても、同じ音程でチューニングしてる限りテンションが異なる事はあり得ません。有名なミュージシャンまで有り難げにもっともらしくコメントされてるのでタマリマセン。これも、基音が多く出ているだけです。じゃ、太い弦じゃないと太い音は出せないの?そんな事はありません。私自身は「太い音」=「倍音の多い音」と言う風に考えていますので、超「微」順反りネックに低い弦高、045~100ゲージが絶対条件です。ほら、ギターを歪ませるそもそものキッカケは、Saxのような「太い音」が欲しかった訳でしょ?それと同じですよ。ゲージが太いと、基音は「ボーン」と伸びても、高倍音は「ギョン!」とすぐに減衰してしまいます。ライトゲージの方が、自然に「ギョ-ン」と減衰するんです。歪ませるようなセッティングはしないんですが、フレットに当たる音なんかも重要なファクターなんです。表現の幅は絶対にこっちが広いんです。同じ「太い音」を指すにも、全く違う解釈なんですよね。

じゃ、一体何なの?という質問に関しての私の回答は、「存分に弦を鳴らす」と言う事に他なりません。つまり演奏者自身の技量と言う事ですよ。はい。

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